アパレル業界のハイブランドを中心としたロゴ的な消費が蔓延する世の中において世界的課題や政治に対する関心まで薄れていきます。
「プラスティックで魚が苦しもうが皆同じ様にプラスティックを今でも使ってるじゃないか」
「消費税が上がろうが皆一緒に上がるんだから我慢我慢…」
といった具合です。
「幸せの形骸化」の論点の中心は「ロゴ的な消費を悪に見立てる事」ではなく「ロゴ消費の弊害に気が付けてない事」です。
顕著な例を出せばヨーロッパ諸国と日本の国民性の対比です。
ヨーロッパ諸国ではAppleのシェアは日本より低く、政治や環境問題への関心も高いです。
「個人が個人の中に幸せの物差しを持ち、実践する」そんな心構えをヨーロッパ系の友人と話しているとよく感じます。
特に「金銭的な豊かさだけが豊かの定義では無い」という雰囲気をよく感じます。
だからこそ、LightBulbからDava Hakkensのチームへの寄付を毎月行なっています。
それは「私の物差しで測った、彼らが社会に与え得るインパクトへの期待」です。
ここまで「幸せの形骸化」をメインのテーマに綴ってきました。
そんな中で一つの報告をさせて頂きたいと思います。
LightBulbは、2020年1月よりMacroMauro 様の財布シリーズの取り扱いを開始します。
これもLightBulbなりの現日本社会風土への一矢の報い方です。
MacroMauroの財布とは。
MacroMauroの財布は、デザイナーによってペイントされた模様を採用しています。
ペイントは即興的に行なわれるので同一のデザインの財布が世界に存在しません。
それが一番の特徴です。
ロゴ的なファッションが始まる前はオートクチュール、つまりはオーダーメイドや1点ものがファッションにおける基本的なスタイルでした。それが産業の発達と共に徐々に量産が始まり、プレタポルテ、ファストファッションが生まれ、現在のロゴ的な消費に至っています。
そんな中でMacroMauroの財布が現世において果たす役割は大きいと私は思います。
1点1点が違う財布の中から自分が好きな物を選ぶ時に「個人の好き嫌いの物差し」は問われます。
例えば1色の差異・模様の形・線の角度の差異など小さな箇所箇所を自分で判断し、自分にとっての「最良」を探す作業は現代のロゴ的な消費とは違った消費の形を求められます。
そして他人から褒められた時には「これは実は1点物で…」という様に背景知識までを話したくなる感覚に駆られます。
現在販売されている財布の中に自分が最良だと判断出来るものが無ければ、納得出来るまで「買わない」という選択肢も大いにありえます。
それは、LightBulbで進めようとする「遅い消費」の概念に通ずる考え方でもあります。
自分が本当に良いと思える物を自分で選び、購入する。
消費が変わればマインドが変わる。
マインドが変われば行動が変わる。
そんな可能性を信じて。
アパレルブランドだからこそ出来る価値観の提示です。
アパレルという入りやすい入り口から何かを変えていく。
「2019→2020」でも書いたLightBulbが向かっていくべき方向です。
是非一人でも多くの方にMacroMauroの財布を手に取って頂ければ幸いです。
ちなみに私自身も4年間、MacroMauroの財布を使わせて頂いております。
制作の裏側を伝えるEpisode Series
LightBulb Producer
岡田直樹
幸せの形骸化
早すぎる消費
など言葉は違えどコアコンセプトは同じです。