LightBulb Producerの岡田直樹です。
本記事では2019年を振り返り、
2020年そして今後に向けての抱負を綴ります。
LightBulbは2019年の年初から販売を始めたブランドとしての最初の1年を終えました。
表現したい事や基本姿勢を定める事が出来き、沢山の気付きもあり、2年目に向けて大変実りある1年であったと思います。
本記事では、
1、現在の日本でのアパレル全体の傾向
2、ブランド立ち上げからの考え方の変化
3、今後目指すもの
の3パートを分け綴ります。
1、現在の日本でのアパレル全体の傾向
2019年のアパレル業界においては、そして今後のLightBulbを語るにおいてUNIQLOの存在とインフルエンサーブランドの存在が欠かせないでしょう。
近年のUNIQLOは高品質の商品を”好“価格で提供するブランドの代表格です。世界的に見てもZARAに肉薄して世界2位の売上高を誇っています。日本国内においても「服はUNIQLOかそれ以外」をいう切り口で話されています。
(ここでは敢えてFR等の会社名では無くブランド名での表記です)
そんな高品質・好価格なUNIQLOの服が世間に普及すればするほど「服はUNIQLOで充分」という感覚が蔓延する事は簡単に予想出来ると思います。現に、UNIQLOの業績が右肩上がりな一方でセレクトショップは玄人好みの傾向が強まり、業績は下降線を辿る一方です。
UNIQLOが栄える分、逆にライブやフェスなどそれ以外の消費活動へ矢印が向いているのではないかと考えています。
そもそもとして日本の消費活動は増税や、将来への不安から全体的には減少傾向にもあります。
ハイブランドはロゴを前面に押し出し、UNIQLOやファストファッションブランドとの差別化を図ります。BALENCIAGAやLouis Vuittonなどのロゴを押し出すブランドの服を着る事で自分の存在感を示そうとする人も多くなっています。品質だけではUNIQLOとハイブランドを区別する事が困難になってきている傾向の表れでもあるでしょう。
そしてインフルエンサーブランドの出現も一つのトレンドとして捉える事が出来るでしょう。
日本におけるインフルエンサーブランドは、ある程度先が見えている様な気もしますので気になる方は、「パクリ問題について」をお読み頂ければと思います。
ただインフルエンサーの持つ「コミュニティ感」のようなものは、今の孤独な日本の若者世代にとって価値観の共有という意味でいい影響を持っているのではないかとも思います。
2、ブランド立ち上げからの考え方の変化
LightBulbのコンセプトは、この1年でブログ記事やインスタライブを通じて少数の”分かって頂ける方々”には分かって頂けたと言える一方で、まだまだ広がり足りないと感じている部分も多々あります。これは一重に私の発信力不足でもあるので今後はもっとコンセプトの共有を加速させていかねばならないと思っています。
ブランドの方向性を定めていく中で最初のテーマであった応援して頂ける全員を巻き込んでブランドを作ってという意識のようなものは個人的に薄くなりました。それと反比例して、ブランド側から引っ張っていく事の必要性に対する思いが強くなっていきました。
その理由は
「1人1人は考えるべき物事をあまり持たずに生活と送っているというリアルを感じたから」
つまりは課題意識の少なさです。
人はある程度満足している状態では現状を変えようと思ったり・考えたりしない。
もちろん満足の定義は千差万別です。
服というジャンルに於いてはUNIQLOによる満足、生活においては今のある程度の安定した給料とその給料でやりくり出来る環境、公共サービスにおいては十分に行き届いた電気水道ガスと鉄道。
満足から生まれる課題感の意識は希薄です。
豊かな日本だからという側面も強いと思います。
よく言われる「ハングリーさが足りない」「やりたい事が見つからない」という状況に近いと思います。
現状に不満や好奇心を抱えずに課題を持とうとするのはとても難しいです。
私自身もそうです。
しかし現状への課題感から生み出したのがLightBulbでもあります。
インフルエンサーのように「なんとなく出来るからブランドやりたい」という意識では明らかに燃料不足です。UNIQLOの創業者である柳井正やAppleの創業者であるSteveJobsは課題意識が飛び抜けてハッキリしています。だからこそ走り続ける事が出来て、それを解決する為にクリエイティビティを発揮していく。
ただし資本主義は、こういった気概を持たずともお金を得る事が出来てしまいます。
これはお金や本物志向などと関わるテーマであり、難しいジレンマでもあります。
では不満や疑問や好奇心は、いつ何を通じて芽生えるのか。
それは本であり動画であり経験などであります。
「海外の貧困環境を目にして」
「プラスティックにより死んだ生物を見て」
「政治的不正を知って」
そんな状況に直面して初めて何かの意識を持つと思います。
ある人は「やりたい事を見つけられている時点でラッキー」と言います。
それ程に人は受動的なのです。だからこそブランドの側から引っ張っていかなければならないのだと強く思う様になりました。
ブランドとして持つ課題意識を共有しそれを契機に同じ問題について考えたり実行する。
つまり共作では無く先導です。
3、今後目指すもの
ここまでを整理するとLightBulbがアパレルブランドとして「すべき事」が見えて来る様な気もしました。
それは、
「ブランドとして常に問題提議を続け、応援して下さる方々の視野や考え方を少しでも広げて共に進んでいく事」
であると思います。
服という媒体を通じて伝えたい事を発信していく。
それは服とは一見相性の悪い様に思います。正直に言ってしまえばメディアの仕事です。
しかし服には入りやすさというアドバンテージがあります。ニュースを読むのはしんどいけど服の良し悪しなら判断出来る、服の情報を集めるのは好き。
そんな具合の入りやすさです。だからこそ服を入り口に、徐々にLightBulbの考える諸問題について一緒に考えて頂ければと思います。
良くも悪くもUNIQLOの様に全国に店舗を持ち何十万着という「服で生活を豊かにする」のでは無く「服を通じて生活を豊かにする」のがLightBulbの目標であるからです。
しかしながらアパレルブランド。もちろん服の制作もおろそかにしません。
遅い消費を進めていくと共に、服への安心感も作っていきます。
LightBulbのサイズや質への安心感。LightBulbのクリエイティビティへの安心感。
「LightBulbの服だけ買っておけば大丈夫」とLightBulbの服を定期的に買って頂けて、旅行や勉学など他の活動に目を向ける人が少しでも増える事が、LightBulbの現在の最終目標です。
その為には良い服を作り続けていく必要があります。
インターネットを駆使し全国の仲間とオンラインで繋がります。
そこに実店舗は必要なく、必要なのはインターネットを通じての皆様からの来店です。
LightBulbが皆様に課題意識や諸問題を共有した様に、次は皆様が友達・家族・恋人に共有を行なっていって下さい。その共有過程において新しい問題意識が生まれて、情報を集め、更にそれをLightBulbや社会へ還元・提示していく。それがコミュニティである強みであり、その情報共有を上手く出来ているのがインフルエンサーと言っても過言ではないと思っています。
以上、3000字弱の振り返りと決意表明でした。
ここまで読んでくださった方々はおそらく何かを感じとって頂けたのではないでしょうか。
そう願っています。
今後も宜しくお願い致します。
LightBulb Producer
岡田直樹
2020年も宜しくお願いします!!