- LightBulb Producer の岡田直樹です。
LightBulbが始動して1年になりますが服飾、そしてアパレル業界の経験が全く無い私がブランド運営を行なってこられたのもデザイナーの掛洋二郎をはじめ、日々の運営を行なってくれる副プロデューサーが居るからです。
ただ裏を返せば、服を好きだという多くの方々が私の様にブランド戦略や取り組みを考えたりする事が可能であるという事でもあるのではないでしょうか。
もちろんデザインを考えるという点や資金面の問題もあれば、ブランドの規模をどの程度まで大きくしたいという点にもよりますが。
だからこそ本記事を「自分がブランドプロデューサーであれば…」
という仮定的な視点から読んで頂ければブランド運営を自分事として捉えられる、良い機会になると思います。
LightBulbは、立ち上げ当初から「自分もブランドを立ち上げてみたい」と思う方々や「自分がブランドオーナーならこんな事をしたい」という方々の意見を集めたりしながらブランドの方向性を確認していこうというスタンスのブランドです。
「才能はあるが出せず終いで居る方々」が沢山居るのではないかという可能性を頼りに進んでまいりました。
実際にピアノ演奏者の八坂公洋さんに衣装提供を行った際、ある方から頂いた「LightBulbの方向性が見えていいですね」というコメントを見たときに「まだまだ筋の良い、分かり合える方々は多く居るかもしれない」をいう興奮の念に駆られた事を昨日の事の様に鮮明に覚えています。
恐らくそういった方々はブランドとして筋違いな取り組みや行いに対しても批判的なコメントを寄せて下さると思いますし、ブランドとして新しい事柄に挑戦する際はそういった方々を納得させられる事でなければならないと考えています。
方向性を定めるとまでは言わずとも方向性を評価して頂けるとは思っております。
一方で、1年が経ってもLightBulbでは日進月歩で新しい方々とSNSを通じて出会い続けています。
今、応援してくださっている方々ともSNSを通じて出会えた訳で、立ち上げ当初から知って頂いている方も居れば、昨日や今日に知って頂いていた方も混在している状況です。
熱心に応援してくださる方々が点在している一方で、LightBulbの事をよく知らない・気にはなっているが活動に参加するには至れない方々が多く居る状態です。
商品を購入頂いた方々やLightBulbの活動を熱心に支持して下さる方々が居る中で、そういった方々の存在感を上手く出せていない様な状態です。
コミュニティ運営という観点で古参が古参風を吹かせて周りを近づけない様にしてもいけないし、ブランド文化を根付かせる事もLightBulbにおいては大切だという難しさも抱えています。
1年経ったからこそ考えなければいけない事があるし、これまでと同じ様にはいかないという事も自覚しています。
初年度の活動と今後の活動は「同じ様で違った面を多く含んでいる」と思います。
環境問題を取り上げる事。
アートなどの文化的な事柄にも注意を促す事。
政治への関心を高める事。
InstagramなどのSNSが発展した現在では多くの情報が公開されており、ショップ店員の存在感も少し前に比べれば確実に高まっていて、インフルエンサーはブランドを立ち上げる中で「どこのブランドから買うのか」「誰から買うのか」「服を通じて何が得られるのかという2次効果」などが前にも増して問われる様になってきていると思います。
もちろんファッションを「視覚で楽しむだけのコト」という考え方を元にブランドと付き合うという方法もありますが、それでは「早すぎる消費が今の様に続くだけである」という事について多くを説明する必要は無く、ご理解頂けるでしょう。
LightBulbはアパレルブランドとしてだけでは無く、アパレルブランドから服を買うという行為を通じて更なる出会いや発見がある様なブランドを目指し進み続けています。
しかし最近になって知ってくださった方々がこれまでの活動や思想の全てを一瞬にして理解する事は不可能だと思います。
そんな中でコミュニティメンバーが熱心で、あまり知らない方々が見た時に「何がコミュニティ内の人々を熱くさせているのか」と興味を持って頂く事はとても重要だと思います。
コメントを付ける事や拡散活動が自然に当たり前に出てくる事。
今までも目指して来ましたが未だ未だ不十分です。更にこの流れが強く出てくるべきだと思っています。
更には、何があればその様な行動が起こしやすいと自分達が思えるのかを提案して頂きたく思っています。
LightBulbが本当に伝えたい事があった際にLightBulbのコミュニティ外の人達にも声が届く土壌を普段から作っておく必要があります。
求めてばかりに思われそうですが、大前提としてLightBulbが応援する価値のある活動をしているブランドだと認識して頂く事と好きになってもらえる服を生み出し続ける事がもちろん必要です。
ここまでの流れを踏まえて「お客さまは神様か ?」という所に触れたいと思います。
販売業において、特に日本においては「お客様は神様である」というマインドは一般的であり当たり前だと捉えられています。
それがLightBulb的な考え方と相性が良いと言えば、そうではないと思っています。
コミュニティとしても活動に重きを置くLightBulbにとって、服を買って下さる方々、そして応援して下さる方々というのは仲間という意識がかなり強いです。
例えばプラスティックの問題一つをとってもLightBulb運営だけではなく、皆様と一緒に行わなければ意味が無いからです。現代の早すぎる消費に抗う事もそうです。
LightBulbが提示する問題をLightBulbコミュニティの中で議論し、それを皆様が第三者に伝播するという形で無ければ我々の自己満足の領域を出ないからです。
それが出来なければブランドとして潰れるまでです。
認められるか否かの真っ向勝負と言った感じでしょうか。
どの時代にも本物志向という考えはあり、本物志向がマスに破れる要因は拡散力の不足でした。政治しかり様々なブランドしかり。
ポピュリズムが存在する様に「考える事なく乗れる流れに身を任せる事」の方が「考えて行動する事」よりもはるかに簡単だからです。ファッションにしてもロゴ消費的なスタイルの方がはるかに簡単ではないでしょうか。
逆に言えば、SNSを通じた拡散が可能な現代において一番重要なポイントは「質の高い拡散が当たり前だというブランド文化」「質の高い方々に応援して頂く事」に尽きると思います。それが出来なければLightBulbは破れ、同じアパレル産業の状態、若者文化が続くだけです。
まだまだ小さなブランドですが小さな圏内でも現状に問題意識を持っている集団が存在している事はとても重要だと思っています。
我々も運営として不適切な方々を制限し、ある程度の規模を保ちながら覚悟を持って運営を行なっていきますので力をお貸し頂きたく思います。
最後になりますが、文頭にもあるように本記事を「コメントの質と量への挑戦」と位置付けています。
そこで本記事を読んで頂いた方々には、LightBulbの活動に関わる上で「どの様なアクションがブランド側からあれば良いか」「今後こんな活動を行なってほしい」などの意見を頂ければ幸いです。
あなたがLightBulbのプロデューサーであれば今後をいかに考え、いかにするでしょうか。
LightBulb
Producer:Naoki Okada
Vice Producer:Kosuke Yamato
Designer:Yojiro Kake
本記事がコメントの質と量への挑戦であるならば、LightBulbは消費文化への挑戦です。