前編の「わかる奴から始める 1/2」では、ファッション業界と環境問題の関わりをザックリではありますが触れました。
そして、後編ではLightBulbの環境問題へのアプローチについて綴ります。
まずは諦め。
現在のプラスティック大国である日本では、プラ系の消費を0にする事はほぼ不可能です。
ブランド規模的にもポリ系の素材を0にし、代用素材を開発する事も不可能です。
不可能とは言わずとも現実的ではありません。
これらは現状における諦めであって、今後ブランド規模のスケールと共に改善する姿勢や取り組みを続けていく事を約束致します。もちろん徐々に使用量が少なくなっていってしかるべきです。
そんな中で「世界というコミュニティの一員」である我々としてプラスティックを使う事への罪悪感や責任への解決策や責任を何らかの形で表明しなければいけないと思っていました。
そんな考えをキッカケに2019年7月よりLightBulbは、オランダ人であるDave Hakkens氏、及び彼らのチームに毎月の寄付を行なう事を決定致しました。
では彼らが何を行なっているのか?
なぜ彼らなのか?
動画内でも取り上げられている様に彼らは主にプラスティック廃棄にフォーカスした取り組みを行なっています。行政的に行なわれているプラスティック廃棄物の処理を家庭や小さなビジネスの中で出来る様にし、そこから更なるクリエイションを生む事というのが彼らのテーマであり、それに関わる技術の開発やノウハウの共有を行なっております。
最たる決定点は、彼らが技術を無料で公開している点です。
プラスティックを粉々する事の出来る機械の設計書や、そこから作る事の出来る物々の制作方法などを公開しています。
その技術を使って日本での家庭的なプラスティックの処理もゆくゆくは可能になります。まだまだ成長途中である彼らの取り組みにブランドとして関与出来る事は大きな態度表明であると思っています。
「環境への配慮やソーシャルグッドな取り組みを敢えて声に出すのは無粋だ」という意見もあると思いますが、では他のブランドから環境への配慮やそれに対する訴えかけを聞く事が出来るでしょうか。
特にデザインなどの外注が容易になり誰もがブランドオーナーになれる時代だからこそ買う側のリテラシーも強く求められていると思います。産業革命が進めば進むほど技術は発展していく一方で1次産業革命からは大量の廃棄物問題が生まれ、デジタルを中心とした2次産業革命では電力使用量が危惧される様になりました。なにもせず消費を続ける事の危険性を再度強く認識する必要があります。
「ファッションなんて所詮は趣味」で示した様に、やらないより出来る事から確実に積み上げていく姿勢が重要だと思っています。寄付を行なう事以上にブランドから服を買うという行為を通じて環境問題に少し目を向けてみる事の方が何倍も意味を持ちます。
皆様からご購入頂いた売上の一部を寄付する形で寄付自体は毎月の寄付を少額からスタートする事になりますが、ここに関してもブランド規模の成長と共に大きくしていきます。
加えて、LightBulbではイギリス人によるロゴデザインを始め、インターネットを利用しての国境を越えたコラボレーションを実施しています。その観点からも、とても意味ある取り組みだと思っています。
日本における早すぎる消費スタイルや、金銭によるファッション消費への満足や、環境問題などの世界的な問題への関心の低さにはウンザリしているので、LightBulbのコミュニティの中からそういった健全な消費への輪が少しずつでも広がっていけば良いなと切に願っております。
今後、寄付の状況や実績についての報告を公開していきます。
LightBulb
Producer:Naoki Okada
Vice Producer:Kosuke Yamato
Designer:Yojiro Kake
LightBulbからでも。
LightBulbだけでも。