「わかる奴から始める」では2部構成でファッションと環境問題について綴ります。
ブランドとしても重要な態度表明となりますので2部共にお読み頂き、LightBulbとの関係性も踏まえて、服が好きだからこそアパレルブランドとの関わり方について再度考え直して頂ける方が1人でも増えれば本望です。
ファッションと環境問題。
一見遠く離れた様なトピックですが実は親密な関係があります。
「ファッションなんて所詮は趣味」ではアパレル業界が抱える問題や環境問題との関係性について触れました。
世界的には、環境に配慮していないブランドや動物の毛を使うブランドに対して不買行動が起こる程、環境問題や動物保護への配慮はアパレルブランドに求められている事です。
では日本はどうでしょうか。
「環境への配慮」という言葉よりも「ドメスティックブランド」や「プチプラ」といった言葉が目立つ様な気がします。日本に住んでいれば日本の事だけを気にして生きていれば良いのでしょうか。
LightBulbとしての意見を言うのならば、環境への配慮を最優先に気遣った上で「縫製技術」や「似合う」といった側面を見るべきだと思います。目を付ける順番が間違っています。
もちろん規模の大小を問わず全てのブランドが環境問題に関心を持つ事が出来れば、環境への配慮を当たり前と仮定し、「縫製技術」等にストレートに目を向ける事が出来て良いのですが中々難しいのが現状です。
改めて、アパレル業界が抱える環境問題については大きく2つに分ける事が出来ます。
(毛皮については環境問題とは別問題です)
(「ファッションなんて所詮は趣味」と重複する内容と数値については割愛しています)
1つ目は売れ残りによる廃棄の問題です。
多くのブランドでは売れ残りを焼却処分しています。一部は廃棄をせず発展途上国などに寄付されていますがブランドの価値を保つという観点で寄付は大きな動きにはなっていません。衣類の焼却は温暖化の促進に寄与しています。
2つ目は原油系物質の廃棄です。
ポリエステルなどのポリ系の素材の使用、梱包の際のプラスティック使用が主です。
分解や再利用の選択肢があるプラスティックですが60%は焼却によって処分されており、原油が原料のプラスティックを焼却する事で温暖化に寄与しています。ポリ系素材の原材料も原油です。
そんな中でブランドとして出来る環境問題へのアプローチは大きく分けて3種類あると思います。
1つ目は使う素材から変えてしまう事です。
アディダスはプラスティックゴミからスニーカーを作っています。
ステラマッカートニーは限りなくファーに近い人工ファーのFur-Free-Furを開発しています。ポリ系の素材を極力使わない姿勢も表明しています。
素材そのものを変えてしまう事は一番の解決策になります。
2つ目は寄付を行なう事です。
梱包やシッピングの際にプラスティックを使わない事はほぼ不可能です。
プラスティックを使用する代わりに環境問題に取り組む団体に寄付を行い、良い社会を目指していく姿勢です。寄付によりプラスティック分解等の技術開発の研究費を捻出する事にも直結します。
アディダスは素材を変える事に取り組む一方でFashion For Good への寄付も行なっています。
3つ目は 「遅い消費」を促す事です。
消費が早すぎる事は、LightBulbでも改善に取り組むテーマであり廃棄量を減らす事に直結します。多くのハイブランド群はこのトピックには取り組んでいると思います。
Lightbulbとしても今後、環境への配慮は絶対的な課題になってきます。
生地を自社開発出来る訳ではないので、ある程度の制約の中で生地に対する配慮を行なっていく事になります。ポリ系でないと表せない光沢感もあったりはするので完全なる排除は難しいでしょう。プラスチック素材による梱包についても罪悪感を持ってブランド運営を行っていきます。現在リサイクルプラスティックの使用を目指している道半ばです。
そんな中でLightBulbなりの態度表明とは。
LightBulbに出来る事とは。
後編「わかる奴から始める 2/2」へ続く
LightBulb
Producer:Naoki Okada
Vice Producer:Kosuke Yamato
Designer:Yojiro Kake
Appleを含めて電機メーカーにもリサイクルの流れが世界的に来ている中で日本は立遅れ過ぎています。
買う側が誇れる取り組みをブランドとして行う必要がある一方で情報の共有と喚起も重要だと考えています。